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こんなケースは芸能プロだけに特殊なことではない。
どんな業界にもあるし、本質的には業界云々ではなく、その人個人の人間性の問題だと思う。 いわゆるヒラメ社員は、上ばかり見ている。
この場合は会長だが、ヒラメは上役のご機嫌ばかりを気にするから外は見ない。 外とはマーケットであり、顧客である。
経済記者とて、立派な顧客なのだ。 IR(投資家への情報提供)を考えれば、記事の内容次第で株価が動くだけの影響力だってあるのである。
よく知っているから、創業者はニコニコと丁寧にインタビューに応じているのである。 その心を知らず、ヒラメ次長は記者を見下して「取材させてやっているのだ」「わざわざ、時間を取ってやったのはこのオレだぞ」という意識でいたのだろう。

愚かなことである。 この愚かなヒラメをつくったのは、ほかでもない、経営トップなのである。
ヒラメ社員の姿に、その会社の本当の姿が重なる。 Hールマークの社長時代に、参ったことがある。
昼休み時間に外出先から会社に電話をしたのだが、部下たる社員たちがだれも出ないのである。 20回は呼び出しただろうか。
これには、さすがに暢気で、紳士的で、優しくて、格好いい(?)と評判の私もキレだ。 「こんなことをいままでやっていたのか。
いったい、どうなっているのだ!」電話をしたのが私でよかった。 もし、顧客だったらどうなっていたか。
取引先だったらどうだったか。 冷や汗ものである。
社内に基本的な規律がないこと、それ以上に、なにより顧客意識が希薄であることの証明になってしまうではないか。 そこで、即刻、ルールをつくり徹底した。
「どんな時間であろうと、電話はすぐに取れ。 5回以上鳴ることは絶対に許さない」以降、ときどき、自ら電話してチェックしているが、そのように変わった。

ばかり考えていればいいというものではない。 だれもが気づかないけれど、重要なことであれば、どんなにくだらないことでもすぐに指摘して変える。
社員に好かれようなどと考えていてはダメだ。 それでは社長自ら内向きになってしまう。
すべては顧客なのである。 顧客に向いた仕事さえしていれば、少なくとも、われわれは生きていけるのだ。
たらい回し、というケースも少なくないと思う。 私など、延々とリレーされ、気づいたら30分も過ぎていたことがあった。
「その件でしたら、営業に回します」「申し訳ありません。

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